<Izumi Nagakiのストーリー>
愛媛県の城下町・松山市で明治より宝石時計店を営む先祖を持ち、小さい頃からキラキラと光る鉱物や星を見るのが好きだったizumi。
通知表は美術だけは5 で絵を描くことや服飾のデザインに興味があり、美術大学へ進学するも、とある女流作家の小説に出てきた宝石の「鑑定士」という職業に興味を持ったことからジュエリーの道へ進むことを決意する。
izumi は東京にある2 つのジュエリースクールへ掛け持ちで通ってデザイン力や技術力を付けていった。
時代はバルブの頃。
高度成長期を過ぎて世の中が豊かになり、「デザイン性」が改めて見直されるという時代だ。
こうした時の流れに後押しされるように、izumi はデザインの勉強を重ねた。
ジュエリーのリメイクやオーダーメイドの仕事で作品を増やし、展示会を重ねることで、メーカーや企業のジュエリーデザインを手掛けるようになっていったのである。
izumi にとって、フレームが決まっているセミオーダーなどとは異なり、石を置いてゼロから興していくデザインは、石の魅力と合わさって非常に心も踊る仕事である。
さらにizumi のデザインは個性的でありながら、その人を輝かせる使いやすいデザインが口コミで評判が広がり、オーダーが増えていった。
その後、ジュエリーデザイナーとして国内外で活躍を続ける一方で、「魅力的な女性としての生き方」も追及するようになる。
現在では「心美体楽」という独自の美学を提唱し、セミナーや勉強会、
イベントなど、ジュエリーを軸として輝く女性の生き方を説く
「美の伝道師」としても、活動を続けている。
<心美体楽>~人生のあり方を映し出す鏡~
私たちはふとした瞬間に空や星を見て自然回帰をしたり、ホッと心を和ませたりといったことを知らずのうちにしているようなところがあります。そう考えると、ジュエリーを身につけて、石からのパワーやエネルギーを取り入れるというのも自然のことなのではないかなと思うのです。
私は人生のあり方を「心美体楽」を体現したものでありたいと常に考えています。 心が豊かになると、そのあり方が健康や美しさを引き寄せ、充実した人生へと結びついていく…それこそが人として最上の生き方なのではないかと思うのです。
ジュエリーは身に着けるだけで心を豊かにし、その人自身を輝かせる力を持っています。女性はキラキラと輝くものが好き。どんな人でも身ににつけると自然と笑顔になりますし、「スマイルが運ぶNK 細胞」という言葉にも象徴されるように笑顔は健康を呼び込みます。
そしてその時の自分を象徴する、あるいは自分に必要なジュエリーが手元にやってくるものだとも。ですから背伸びをして似合わないものを身につけるより、等身大の自分に合うものを身につけた方がよほど素敵に映ります。私たちがジュエリーを選ぶように、ジュエリーもまた身につける人を選んでいるのかもしれません。
高価なジュエリーは『頑張った未来の自分へのご褒美』。今は手にすることができなくても、つけている姿をイメージするだけでワクワクしますし、それを目標に頑張ろうという明るく前向きな気持ちになります。
私はこれをプラスのビューティ・スパイラルと定義づけています。美しくなるために頑張ろうと思うこと自体が人を輝かせ、ジュエリーを手に入れる頃には、それを身につけるに相応しい『品格が既に備わった女性』に自然となっているのです。
私はジュエリーを素敵につけこなし、輝いている方々を数多く見てきました。どの方もキラキラと輝き、心身ともに健康で公私ともに充実した毎日を送っています。ラビアの輝きは『本質を見つめる力』と、『無限に広がる可能性』を秘めています。内面に眠る本当の輝きを、ジュエリーで引き出す旅に出てみませんか?
<リメイク>
~時を超えて受け継がれるジュエリーへの思いをリメイクに込めて~
ジュエリーの仕事を始めた頃から行っていた『リメイク』。
自分でも自信があり、お客様からも好評を得ていてリピーターが殆どというデザイナー冥利に尽きるメニューなのですが、これについては特別な思いがあります。
太古の昔、王様、皇帝、王妃など、位の高い人々は、ジュエリーを最も大切なもの、あるいはお守りとして身につけていました。
鉱物は薬にもなることから、宝石を削って薬として飲んでいたこともあるといわれています。
また、近年の西洋では「ジュエリーはレディの身だしなみ」と言われ、毎朝お化粧をするように身につけるのがレディなのだと教育されてきました。そして、ジュエリーは母から娘へと何世代にも渡って大切に受け継がれるものでもありました。
東洋でも、形見を受け継ぐ…という風潮はあります。けれどもジュエリーのデザインには流行があります。
母の頃には最新でも、娘や孫に受け継がれる頃にはアンティークとなり、「身につけたいけれど、自分には少しレトロ過ぎるような気がしてつけられない…」となって、実際には引き出しやタンスの奥に眠っている状態になってしまうのです。
「大切に受け継いだジュエリーを身につけて楽しみ、また次の世代へと繋いでいっていただきたい」。
私がリメイクのデザインを手掛けてきた背景には、こうした悩みを何とか解決したい…
という思いがありました。
現在32 年目となりますが、おかげさまで『リメイク』は好評を得ています。
ジュエリーは古代からお守りとして身につけられており、現代も無くてはならないもの。
こうした思いをこれからも紡いでいきたいと考えています。
<デザイン哲学>
~個性的なデザインで「その人らしさ」を表現するデザイン~
izumi のジュエリーには「個性的=その人らしさを表現したもの」という定義がある。
人は十人十色。この世に見ためも中身も同じ人は2 人としていない。話をし、デザインの希望や石に込めた思いなど、色々な話をしてクライアントに対する距離を縮めながら、izumi はその人の個性と素顔を見極め、形にしていくのである。もちろんデザインは華やかで目を引くというだけではなく、機能性や使いやすさも重視している。
つまり、「その人らしさ」をフックにデザイン性を重視しながらも、「普段使いのできる機能性」を盛り込んだデザインを追求しているのである。
取材記事より ライター:坂口 あや